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東葛中受検にまつわるエトセトラ

千葉県立中 脱字に対する措置の概要

【概要】
12/7(土)に行われた千葉県立中の適性検査1-2において出題に脱字があり、措置として全員に18点を付与するという発表がありました。
令和2年度千葉県県立中学校入学者決定の適性検査問題について/千葉県

問題文引用-------------------------------
「カ~サにはあてはる数を、シにはあてはまる色を、スにはⅠ・Ⅱ・Ⅲのうちからあてはまる記号を1つ書きなさい。」
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このように「あてはまる」という言葉が3回使われる中、一番最初の「ま」が抜けて「あてはる数」となっていたため、教育委員会によって問題不成立と判断され、全員に18点が与えられるとのことです。
つまり正解した人もノーカウントとなります。

「該当の問題は、二進法と順列を組み合わせた難問でした。正解できたお子さんは相当算数が得意か、しっかり鍛錬を重ねたのだと思います」
(コメント欄 受検生の親さんより)

千葉の適性検査は一次と二次があり、今回はいわゆる”足切り”の一次。国立大学のセンター試験と考えていただくとイメージしやすいかと思います。

合格最低点は、年にもよりますが5割を切ると思われ、4年前わが家の場合、1-1と1-2の2科目合計4割半で一次を通過しました。
しかし苦手な1-2は100点中30点台しかとれず、1-1でカバーしています。
この時に、得意な1-1から正解した18点分がノーカウントになったと考えると、これは加点ではなくただの減点となり、合否に関わったと思います。

この件に関して、週明けの月曜から抗議を続けていますが、12/15現在、教育庁からはゼロ回答です。合否会議は12/18(水)、合格発表は19日(木)です。
日曜もFAXは送れますので、ご意見のある方は利用してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、大学入試改革では英語民間試験が延期になりましたが、これは大臣の失言によると思われがちですが、様々な活動により世論が動き、与党議員へのFAX作戦が効果を表した結果でもあります。FAXはコンビニからも送れます。
コンビニfax送り方【やさしく】セブンファミマローソン・料金は | 知るんど
(このサイトによると、セブンは発信元が非通知なので先方が非通知拒否していると届かないとのこと)


【本件問合せ先】

教育庁 千葉県総合教育センター学力調査部
 組織 - 千葉県総合教育センター
 電話番号:043-276-1298
 FAX番号:043-212-7598
〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉2丁目13番地
(幕張にあります。教育委員会の組織の1つで適性問題担当という説明でした)

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教育庁教育振興部 学習指導課 学力向上室
 https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/
 電話番号:043-223-4056
 FAX番号:043-221-6580
 〒260-8662 千葉市中央区市場町1-1中庁舎8階
(県庁に入っている教育委員会の事務方で、制度的な担当という説明でした)

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教育についてのご意見募集
(教育全般に関する窓口→担当部署に振り分けられる)



【措置決定までのプロセスがわからない】
この措置は、検査翌日の朝刊で発表されました。
12/7(土)の15:35から、遅くとも深夜2時には報道発表されています。
7日の何時くらいまで、どういったメンバーで議論したのか、そこにテスト理論のわかる人がいたのかを、総合教育センターに質問中です。
この部分は、ぜひ皆様からも問い合わせていただければと思います。

教育庁の担当者に1回目の電話で聞き取ったことによれば、この措置を決める前に答案の該当箇所を確認して合否の逆転が生じないか確認することはしていない、とのこと。

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【過去の中受における出題ミスの措置】
他校の出題ミスに対する措置は、基本的には「全員満点」となることが多いようです。

president.jp

無料の会員登録をすると後半も読めるのですが、武蔵中の続きは、
広尾学園中(2018年)
 理科で作用点と力点が入れ替わり
 →全員満点
立命館中(2018年)
 「三内丸山遺跡」とするべき所を
 「吉野ケ里遺跡」を正解として採点
 →追加合格
・女子学院中(2017年)
 算数で問題を解くための条件が不足
 →全員満点
筑波大学附属駒場中(2013年)
 国語「お地蔵さんに笠をかぶせて」とすべき所を
 「お爺さんに笠をかぶせて」
 →全員満点
・小石川中(2012年)
 想定以上の解法が明らかに→
 6月になって追加合格

ネットの反応を見ると、今回の千葉の一次検査自体を無効と考える方もいらっしゃるのですが、現実としては、記事の武蔵中の酷い出題ミスでさえ入試として成り立っています。

今週のこのブログのアクセス人数は、1日100人弱です。受検生の数からいうとほんの一部なのです。私の周囲にも、ホームページを見ないので「あてはる」を知らなかった受検生がいました。
一部の当事者が訴えても、教育委員会が18点付与を公平とし、その体裁を変えずにあとはブラックボックス、ということは現実としてあり得るでしょう。


【入試改革への批判に逆行】
千葉県の今回の措置は、大学入試改革に対する世の中の批判に逆行しています。ここ数ヶ月、国会の文科委員会では入試の公平性について激しいやり取りが続いてきました。今回の措置を決定した方々は、国で起きていることをご存じないのでしょうか?

大学入試に関しては、「ふくしま式」で小学生にもなじみのある福嶋隆史先生も、批判を発信されています。

大学入学共通テスト 国語の記述採点がいかに困難を極めるかを明確にする | 株式会社横浜国語研究所/ふくしま国語塾/福嶋隆史


大学共通テストの記述と今回の千葉県の措置は、
”能力を発揮しようがすまいが正解になってしまうような設問が、果たして良問と言えるのか。 はなはだ疑問が残ります。”
と福嶋先生がおっしゃる部分で、共通していると考えます。