2022年2月「東大二次、近づく」
【東大二次まであと4日】
ユズは感染を避けるため家で勉強していましたが、メンタルがやばくなってきたので、企業が地域に開放しているカフェスペースに車で連れていきました。
ここは長時間の自習がOK、無料Wi-Fi、広い空間、おいしい社食が食べられる、という快適な環境。
外に出ることで気持ちを保てたようで
「カフェの桜ラテが美味しかった」
と、少し表情が和らいでいました。
なにより、トイレのフタが自動で上がるタイプだったので、
「待ってたよ」
と言われている気がして嬉しかった、とのこと。
【東大二次まであと3日】
問題を解く時になれば集中できるけど、それ以外の時は不安が押し寄せてくる。
本番では人格が分裂して、突然「強いもう一人の自分」が現れ、問題を解いてくれたらいいのに、とユズがつぶやきます。
私が YouTubeで東大入試本番の体験談を聞いていたら、こんなエピソードが流れてきました。
前の席の女子生徒が、休み時間、机の上に何かを出しっぱなしにして席を立った。
気になって目をやると、それは名門私立の生徒さんが、周囲を威嚇するためだろうか、優秀な模試結果を開いて置いたものだった…。
なにその怪談、ガクブルですよ。
ユズに
「やつらはこんなトラップを仕掛けてくるぞ」
と伝え、
「千葉の田舎から出てくる、小動物みたいな受験生を威嚇するのヤメテ!」
と叫びました。
そんなしょーもない話をしていたら、
小中学校でよくやる、卒業式の「呼びかけ」のノリになってきて
ユズ「やってもやっても
伸びなかった、すうがく!」
私 「すうがく!」
ユズ「3完できたと思ったら、
やっぱり1完!」
私 「いっかん!」
と、即興の呼びかけが始まります。
(情緒がバグってます)
笑いのハードルが異常に低くなっているユズは、笑い過ぎてむせながら、
「不安な時は、呼びかけのネタを考えよう」
と少し前向きになっていました。
そういえば3年前。
東葛中を卒業した時、
生徒たちが保護者に「呼びかけ」を披露してくれたことがありました。
当時、学校給食の鶏肉が生焼けだった事件があり、大人は深刻に問題視したのですが、子どもたちはニコニコと
「生焼けだったトリ肉!」
「トリ肉!!」
といった調子で、
東葛中の微妙な立ち位置や諸問題を、ユーモアいっぱいに呼びかけに昇華させ、披露してくれたのでした。
そう、東葛の魅力は
痛くて恥ずかしい失敗も、自虐と笑いに変えて、魅せるところではなかったか。
姉ミカンの在学時から、多くの生徒が何かをやらかしたけれど、その度に行事のムービーで堂々とネタになり、本人が出演することで、皆が爆笑して微妙な空気を消し去るのを見てきました。
そんな心意気をユズが忘れず、最後まで立ち向かえたら最高だと思うのです。
【東大二次 前日】
日中をカフェスペースで過ごしていることで、ユズのメンタルはギリ耐えているように見えます。
それでも夜になると、緊張に襲われて
「あ"ーーうーー」
と唸る。
この日は、朝食を食べながら、
「数学に逆像法というのがあって、
東大は逆像法が好きらしいんですよ。
で、その存在を忘れていた自分に、
昨日気が付いたんだよね」
と、素でひろゆきみたいな事を言っていました。
もはや、叩いても逆さにしても、
演習不足の身から高得点は出てこない。
ただただ、持っている駒を1つでも、2つでも、置いてこれたら。
「数弱の自分を理系の沼に引きずり込んだ、生物の魅力すごい」
とユズが言います。
理二は、こういう生き物が集まる地上のホットスポットなので、
理一志望の人が
「ボーダー低いから理二で出すわ」
と乗り込んでくるの ……メテ…ヤメテ…。
(※今年2023年は理一の志願者が理二に流れたようです)
二次試験は
2/25 国語 数学
2/26 理科 英語
26日は早稲田理工の合格発表もあります。
早稲田の数学のできなさから、現実が分かったようです。
ユズは高2の共通テスト模試で、たまたま数学が良かった事があったので、駿台の東大クラスを受講できたけれど。
そこから実際の東大数学までの距離が、ハンパなく遠かった。
なんなんだこの距離感は?
だから夢は見ていない。
その先の景色があることを体感するだけでも、なかなかできない経験だと、今は思う。
YouTubeの「笑う浪人生」という企画で活動しているベベ君という大学生が、この日アップした動画で良いことを話していたので、ユズにシェアしました。
心に響く言葉でした。
youtu.be