「基準の更新」の見直しを
【教育委員会へのFAX】
教育委員会(県庁と幕張)に、下記の文書と、コメント欄にお寄せ頂いた保護者の皆さまからのメッセージ、そして県千葉・東葛生(県立中OB)からのメッセージをFAXさせて頂きました。
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まず、適性検査1-2の18点付与の決定プロセスについて、不明な点を質問させていただきます。
1)15:35に検査が終了してから措置が決まるまで、何時間くらい議論が行われたのでしょうか。
2)この措置は、主にどのような方が判断されたのでしょうか?
その際、テスト理論の分かる方はいらっしゃったのでしょうか?
(参考)日本テスト学会の定義するテスト基準(pdf)
” 3.3 判定基準の個別検証の必要性 テスト結果を合否などの判定に利用する際は,理論的,実証的な研究に基づいて個々の具体的 状況を考慮し判定基準を設計する。他の状況で検証された基準や一般的な基準を適用する場合は, その適否を専門家の支援を得ながら検討する。 ”
3)正解者も白紙の人もノーカウントとなります。
これは教育委員会が「あてはまる」の「ま」が抜けたことで、完全に問題不成立と判断した、という理解でよろしいでしょうか?
(参考)日本テスト学会の定義する テスト基準(pdf)
” 2.10 採点方法の変更
不適当な質問項目の発見など,何らかの理由で,事前に説明された採点方法を変更する 必要が 生じた場合には,その理由やそれへの対応などについて開示すべきである。”
に基づき、上記3点についての情報開示を求めます。
次に、この件に関する意見を述べさせていただきます。
今回の措置では、入試の原則である 「公平性の確保」 「適切な能力の判断」 が担保されません。
「18点付与」は均等原理の公平性であり、入試の原則 「衡平原理の公平性」 をこわすものです。
代案として、きちんと採点した得点分布の上位320人と、18点付与した得点分布の上位320人、 両方を合格とすることを求めます。
また、千葉県立中の信頼回復のため、テスト理論・テスト学といった分野の専門家の支援を得て、最終的な採点基準を更新し、公開することを求めます。
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FAX内容は以上です。
【採点の難しさ
現場の努力を無視した18点付与】
教育委員会が発表した一律に18点を付与するという措置は、現場の先生方が行っている記述採点への努力を、あまりにも軽く見ていると感じます。
記述採点は、複数の採点者が採点基準を同一にするため、どの答案を引き抜いても基準がずれないよう、細心の注意を払って行われていると、現場の先生方が文科省ヒアリングで訴える姿を拝見してきました。
採点基準の難しさを図解で伝えたツイートがこちらです。
まさにこれですね。
— Motonori.S (@satopooh28) 2019年12月10日
そして、★の書き方は一筆書きやギザギザ、丸っこいのから形が崩れまくって★なのかどうかの判別すら困難なもの、消してたり途中まで書いてたり上書きしてたりするものまで、50万通りの表現がある… https://t.co/JCcrHZ9sk7
このような努力により行われた採点を、分析や基準の見直しもないままごちゃ混ぜにする措置を、なぜ教育委員会はあえて選択するのでしょうか。
もうすでに、「おかしい」と気づいていらっしゃるはずです。
新聞発表したから、体裁を守ろうとして行われる事は、 東大名誉教授 南風原先生(pdf)の言葉をお借りすれば「メンツのみで強行される、知性のかけらもない状況」といえるのではないでしょうか。
【基準の更新は適切だったのか】
学力調査やテスト設計、記述式採点技法の専門家の方は、このようにおっしゃっています。
公的試験・調査での採点業務における「基準の調整」とは、新たな想定答案や本採点実施後に発見された新しい答案に対して、基準を協議すること(どういう評価を与えるか)をいい、
— Motonori.S (@satopooh28) 2019年12月5日
「基準の更新」とは、前述の事項に基づいて基準を追加ないし修正し、マニュアルに反映させる一連の作業を言います。
この方が設計されたテストを、何百万人もの生徒さんが受けてきたことでしょう。
採点基準に後から変更が加えられる時は、まず「基準の調整」という答案を見ての協議が行われ、その後に「基準の更新」が行われるとのこと。
しかし今回は、「基準の調整」が行われる前に「基準の更新」が行われたということではないでしょうか。
そしてここからは可能性としての懸念です。
18点付与という「基準の更新」が放置され、ブラックボックス内で「基準の調整」が行われることはないでしょうか?
これによって救われる子もいるかもしれませんが、それでいいと思わないでほしいのです。テストの信頼がめちゃくちゃになります。
まずは「基準の更新」を見直し、公開していただきたいと願います。