受検前のエトセトラ
先日、御茶ノ水のカフェに入りました。
店内が狭く席同士が近いので、一瞬迷ったのですが、同年代の女性二人組の隣に座ることにしました。すると、二人の会話が耳に入ってきました。
「結局、どれだけ早く、武器を出せるかなんだよね」
ずいぶん物騒ですが、「武器、武器」と繰り返す二人の話題が、中学受験の算数だということに気づきました。
「うちの武器の出し方は、すごく男子っぽいって先生に言われる」
「うちはまだ、この場合はこの武器って、的確に出せるところまでいってない。だから○○(テキスト名)を何回もまわしてる」
どちらも女の子のお母さんのようです。出てくる中学の名前から、優秀なお子さんなんだろうなと思いました。
片方のお母さんが、
「この時はこれ、この時はこれって、武器を出す勝負になってるけど、本当はじっくり考えるのが正しいって迷ったりする」
と言うと、もう一人のお母さんも共感しているようでした。
しばし、勉強にとって何が正しいか、という話になります。
でも今の闘いは、武器を使うしかないんだ、というような方向にまとまったところで、私は席を立ちました。
お二人は言葉に力があって、経営戦略のミーティングをしているようにも見えました。
と同時に、わが家の受検が、どれだけぬるかったかを思い知りました。
お二人のお子さんが入学する私立中と、東葛中が、たとえば偏差値5の違いだとすると、受験に向けて取り組んできた事の違いは、5どころの話ではないでしょう。
”ぬるさの極み” だったわが家と、親子で努力されたよいつきさんのお宅でさえ、一つに括ることはできません。もちろん私立中と東葛中を併願されたご家庭も。
千葉中が長い間そうだったように、この学校はネットで批判を受けがちです。その根底には、受検内容が違うくせに偏差値表でそこそこの数値が出ていることへの、言いようのない不快感があるのかもしれない、と想像しました。
もちろん批判する側には、県の税金の使い方が不満だとか、教育委員会のやり方が不満だとか様々な人がいるので、決めつけることはできませんが。
このブログを読んで頂くと、批判と悪意を見分けるための材料は拾えるのではないかと思います。
ちょっと長くなりますが、一次検査前なので補足を。すべて一個人の所感です。
この学校の指導で学力はつくのか?
「成績優秀なAさんと、いまいちなBさんの学力の違いは、学校のせい?」
と東葛中生に問えば、ほとんどが「本人でしょ」と答えると思います。
「次までに、ここからここまでの解法を考えてきて」と幾何で指示され、しっかり考えて発表する人と、何も考えてこなかった人の伸びが、同じはずがない。
なぜ考えてこないのか、先生が根本的な部分を諭したり、時には怒ったりもします。義務教育ですから。そこに応えるか応えないかは、その子次第。
もう一点、東葛中+塾 は必須なのか?
一言でいえば、誰もデータを持ってないのでわかりません。
ただ、ふつうの進学塾は受験の負荷が多く、学校と両立しづらいと私は思います。そこを素晴らしくカバーする塾があれば、行きたい人もいるでしょう。
先日、ユズが小学校時代の同級生、市川さんに駅で会ったら「数学のいい塾知らない?」と聞かれたそうです。そういうニーズはあるのでしょう。(ちなみに、市川さんの中学では数学で三平方の定理をやっているそうです。早い!でも、東葛中も市立中よりはかなり早いです)
東葛中のトップの子たちが、大学受験を見据えて先取りで塾通いしているかというと、これも私にはわかりません。
数学だけはどんどん進めているとか、英語だけはノート代がばかにならないくらいやるとか、そういうケースは見聞きします。好きな分野を深める勉強系の習い事に通う人もいるでしょう。
現時点での国立大学受験では、一つに突出しているより、まんべんなくできる人が受かりやすいと聞きます。好きな教科が偏ったままでいいということはないと思いますが、自分が何か1つでも好きだったり、友だちに好きな教科があるのを見るのは、刺激的なことです。
学校についていくために、個別指導に通うケースがあっても不思議ではありません。しかしこれも、そういう人がいるかどうか分かりません。
1つ言えるのは、学習課題をやらず、塾に行って板書を写しても「塾を生かせない」ということです。
教育資金として本当に気になるのは、東葛高校+予備校費 がかかるかどうかでしょう。
大手予備校の校舎前に立って、合格報告の紙を眺めると分かるのですが、県立高校はもちろん、私立のたいていの学校は名前を見ます。
東葛から大学受験をするなら、予備校費は見積もるべき。それは、理系に進んだらこれくらい、薬学ならこれくらい、と貯金に励むのと同じ話。
でも、必ずしも全員が塾利用する訳ではなく、塾なしで難関大に進む人もわりといらっしゃるようです。それが自分ちの子であるかは分からないということ。
それと、最難関に進む人は、余力を持って東葛高校に入学しているのではないでしょうか
文章を推敲する時間がないので、ちょっと詰め込みますが、よろしかったらまだお付き合いください。
東葛中の一次検査のこと。
入学当初は「一発合格か、繰上げ合格か」ということは、わりと皆黙っていたようですが、最近ではあけっぴろげだそうです。
繰り上げ合格は、一期生の時は多かった。
そして、適性での点数と現在の成績に、目立った相関は見られないそうです(ユズ調べ)合格ボーダーの上では、という意味で。
一発合格の子の共通点は、「一次検査の得点が高い」(ユズ調べ)
これは、コツコツと努力してきた人に利があるようです。
一次から二次までの間に2ヶ月弱ありましたから、一次までぼけっとしていた子が覚醒して二次で追い上げたり、一次二次とも優秀な子がいたり、抜きつ抜かれつで二次の結果が決まる。二段階ふむことで、コツコツ努力型と、何か強みのある子が混ざるのではないでしょうか。
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備忘録
当日、腕時計を忘れない。
一昨年の一次は塾に行くような服装のお子さんが多かったと思います。冷えないように、暖房が強い時は脱げるように。
検査が終わった時の待ち合わせ場所を、お子さんと決めておくとスムーズかと思います。
休み時間に、周りの人と答え合わせしない。答え合わせが聞こえてきたら、廊下に出る。
高校の机がガタガタする場合は、いやだったら開始前に先生に言う。ダンボールみたいなものを詰めてくれます。一昨年は、机の上に画用紙を敷いて受検しました。
柏駅から学校まで、たくさんの人が歩いていきます。ユズは気圧されて緊張していました。親とはあっけなくお別れです。
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最後に。
「学校が何をしてくれるか?」ではなく
「学校で自分は何ができるか」ですよ!