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東葛中受検にまつわるエトセトラ

「中学受験は親が9割」の最新版は何が変わった?

先日、書店で「中学受験は親が9割」の最新版が出ている事を知りました。
初版が出た4年前とどんな内容が変わったのか?と気になり、旧版を図書館で借りて読み比べてみました。

「最新版の刊行にあたって」という著者の言葉で印象的だったのは、
「思考力は塾で言われた通りの勉強をこなすだけでは身につきません。日頃からの“じっくり考える習慣”が大切です。」
と、子どもの好奇心について書かれていた点。
中学受験の勉強が始まると、じっくり考える時間が奪われてしまうことから、「親は意識的に考える時間をつくってあげる必要がある」。また学習については、“やらせる工夫”をしながら、“やらせすぎない工夫”が必要とも指摘されています。

具体的に追加された項目は次の通り。
・大学入試改革は中学受験に影響するか
・求められる思考力は学校によって異なる
・受験算数に必要な2つの学習
・大学付属校はなぜ人気が高いのか?
・私立中学と公立中高一貫校を併願できるケースも

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見落としがあるかもしれませんが、削られた内容は見つからないことから、著者からのメッセージとしては、基本は4年前と変わらないことがわかります。

本のタイトルに使われた「親が9割」という言葉は、この本の主旨とはちょっと違う意味で一人歩きしているように感じます。
ドラマ化された「下剋上受験」で、お父さんが志望校にこだわり、お子さんにつきっきりで勉強を教えていたようなイメージ。
ところが実際はとても冷静で、ごく真っ当なことを当たり前にやろう、と読み取れますね。

本の中で1点だけ「違うな」と感じた部分がありました。

”子どもに「中学受験に挑戦してみたい」「よりレベルの高い中学に進んで高度な学習をしたい」なんて気持ちは、まずありません。”(最新版 p.107)

これは、著者が「中受塾は小3の1月に入塾テストを受けるのがベスト」と勧めていることから、小3の親御さんに対する言葉と考えると自然です。

でも、たとえば小5の後半にもなれば、これくらいの事を考える子は出てくるでしょう。

公立中高一貫校は、子どもが「よりレベルの高い授業を受けたい」と考えるようになってからスタートしても、間に合うかもしれない受検。
私立中は、それよりも早く、勉強をスタートさせる必要がある受験。
そんな違いがあるように感じました。