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東葛中受検にまつわるエトセトラ

なりゆきで参加したら超重要だった科学の甲子園

化学のK先生

ユズが高1の時、化学基礎を教わっていたK先生は、ちょっとクセの強い名物先生でした。
地域の子ども向け科学教室を指導したり、小学校の先生方に実験研修をされるのがK先生。

一方で、姉ミカンの在学時から、K先生はよく爆発を起こすとか、化学室には薬品が混在し未知の生物が潜んでいるとか、東葛の化学徒はK先生のしもべである…といった噂がまことしやかに囁かれていました。

私が保護者の方とお話ししていると
東葛はもっとSTEMに力を入れたらいいのに」
と聞くことがあったのですが、実は東葛、理科の実験をやり過ぎる位やっている学校です。

ユズは高1の時、そのK先生に誘われて、科学の甲子園の県予選に参加しました。
その年は、高2生が修学旅行と重なったので、1年生だけで気楽に2チーム出場できたのです。

高1、生物

科学の甲子園は、物理、化学、生物、地学、数学、情報を分担してチームを組みます。
ユズは生物担当でした。
ちなみに高入生と中入生の混合。

「高1だけど生物を一通り終えなければ、チームに迷惑がかかる」という状況に置かれたユズは、生物を勉強することになりました。

千葉県大会には「渋幕様」というラスボスが登場します。
それゆえ県を突破するのがまず無理なのですが、高1チームは良い経験をさせてもらったようです。

高2、祭と科学

翌年の科学の甲子園も、ユズは生物担当としてチームに加わりました。
しかし、東葛チームには大きな困難が待ち受けていました。

科学の甲子園の前日が、コロナ禍で初めて許された学校行事「東葛祭」だったのです。
チームの主なメンバーは祭の実行部隊でもありました。

科学の甲子園前、ユズたちは毎晩遅くまで東葛祭の準備をしていました。
そして祭を成功させた翌朝、チームは会場の幕張に集結。

ラスボス渋幕様と闘いを繰り広げ(先方の視界に入っていたかは不明)、東葛チームは千葉県2位となりました。
全国大会に進んだ渋幕様は、全国で準優勝。

高3、後輩たちの進撃

翌年、東葛の後輩チームが、科学の甲子園 県予選を突破、とのニュースが届きました。東葛が全国大会に進むのは、史上2度目だそうです。
育成環境が整っているわけではないので、きらりと光る生徒たちが自走した結果でしょう。

「そんな生徒はSTEM教育の整った学校に行った方がよい」
「地頭のいい生徒を集めて学校は何もしない」
といった声も外部から聞こえてきます。

千葉県は、県立高校生1人当たりの教育予算が全国44位です。
(統計でみる都道府県のすがたP.53より)

日本はただでさえ公教育に予算がつかないのに、その日本で下から4番目。
2018年時点で愛知県が47位ですが、千葉も愛知も「公立王国」と呼ばれているのがミスマッチな気がします。

県立高校は貧乏、とクサクサしててもしょうがないので、生徒はアンテナを広げて、あがいてみたらいいんじゃないでしょうか。それが東葛の良さだと私は思います。

大人は、教育に力を入れている県議会議員に投票するとか、学校の困りごとに手を貸すとか、マクロな事だったら知事に意見を伝えるとか、できることがあると思うんですよね。

進路への影響

科学の甲子園には、思わぬ副産物がありました。
大学受験の理科2科目のうち、ユズは化学が間に合わなくて泣きながらやっていたのですが、生物は受験勉強するのが嫌ではなかったし、共通テストや国立2次で得点源になったのです。

理科や社会に興味を持つと、進路の選択肢が広がります。

塾の鉄緑会に中1から通う生徒さんと東葛生とでは、差が開いて当然。
とはいえ、先取りを強制されても面白くはないものです。
高1・高2で英語と数学を捨てず、趣味で理科や社会を楽しんでみると、高3になった時に強いお守りになると思います。

追記(4/27)

4/25に科学の甲子園全国大会の結果が発表されました。
後輩チーム、なんと総合2位だそうです。
部門別では情報が全国1位。
お見事!おめでとうございます。


 

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